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経営ブログ

2024.12.09

オールドナイト

監査役 古川 正志

 11月の中旬の日曜日にフェンシングの北海道選手権が行われました。私が属する旭川フェンシングクラブからも小中学生が参加し、その応援に当別に向かいました。当日は朝から嵐のような雨で、岩見沢近辺の高速ではワイパーの速度を最も速い段階にしても、10m先も見えないような雨で思わず車の速度を50km/hに落とさざるを得ませんでした。
 私が到着したときすでにフェンシングの会場では熱気に包まれていて、旭川のちびっ子も元気に試合をしていました。中にはオリンピック後にクラブに参加した小学生もいて、勝ったり負けたりしていました。彼には初めての試合だったので負けた時には思いっきり涙を流していましたが、この涙が将来にきっと彼を強くするのだと思いました。
 そんな中で3年前に少し言葉を交わすようになった私とほぼ同じ歳くらいのEさんを見かけました。彼はシニアの部のフルーレとエペの試合に参加していたのです。会場のピスト(選手が戦う場)にたつEさんは私より少し背が高いのですが背筋がまっすぐで、日本でいう古武士、フェンシングでは武士ではないのであえて古騎士の言えるような立ち姿でした。古騎士という言葉は日本語にはないのでこの言葉をあえてオールドナイトと呼んでみました。
 試合中の彼はまるで孫のような選手と戦うのですが、その淡々と静かにファイトする様子に感銘を受けました。小さな子供たちが遠くからEさんがピストの上がっているのを見つけ「あっ、Eさんが戦っている」と応援に駆けつけました。
 フルーレとエペの試合の間に少し言葉を交わさせていただきましたが、今のフェンシングはオリンピックで広く知られよくなったね。私の頃は、ヨーロッパで行われているからカッコ良いと勧誘されたと笑いながらお話しされていました。
 私はもう何十年もフェンシングの公式の試合には出場していないのですが、オールドナイトとしてその静かな中に尊厳を漂わすEさんに、先日76歳になりましたが私もまだまだ頑張らなければと思いました。来年3月に東京で開催されるベテランフェンシング団体B(3人で190歳以上の男女混合チーム)に旭川から初めて参加する予定です。改めて頑張ってみようという気になりました。
 Eさんが試合を終えて帰り際にたまたま会場の体育館の玄関でお会いしたのですが、ニコッと笑われてまたお会いしましょうと言われたのがすがすがしく心に残りました。

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