ブルシット・ジョブという言葉をご存じでしょうか?
アメリカの人類学者デヴィッド・グレーバー氏によって提唱されたこの概念は、無意味で、不必要で、有害な雇用形態のことで、グレーバー氏曰く、ブルシットジョブには取り巻き・脅し屋・尻ぬぐい・書類穴埋め人・タスクマスターの5つがあり、職種を例に挙げその内容を述べています。
他の国のビジネスや雇用形態にがどういう物があるのかを詳しくは存じ上げませんけれども、日本でも多かれ少なかれ同様の事が言えると感じますし、職種に限らず様々な仕事を細分化していくとそこかしこにブルシット・ジョブと呼ばれるような断片がゴロゴロ転がっているように思います。
私達技術者は、システムの再構築に取り組む際に要件定義までの工程の中でお客様の現行業務と新業務のフローを考えていただきます。
業務をフローで視覚化していくとその業務を行っている理由や必要性が曖昧なところが見えてきたりします。
以前からやっているやり方だから、先輩から教わったやり方だから、上司がやれと言うからなどなど。
そこで新業務フローを考えていただくにあたり、あらためてお客様には業務の必要性や継続性を考えていただいた上で、業務を統廃合して効率的な新しい業務を考えていただきフローを作っていきます。
そういったことを行っているにも関わらず、私達技術者も自身の仕事についてそこまで深く考えていなかったり、慣例的に行っていたりするものです。
効率化が全てではありませんが、自身の仕事の意味や必要性を考えていないというのに、お客様に仕事の意味や必要性を考えていただくことの支援が出来るでしょうか。
皆さんが普段している仕事の中にブルシット・ジョブはありませんか?
私自身も考えていきたいと思います。