以前にこのブログでフィボナッチ数列の面白さを書きました.再度,この数列を書きますと
1,1,2,3,5,8,13,21,...
と続く数列です.数列の作り方は簡単でその数の前の二つの数を加えてできあがります.
1から始まると1の前の数を0とすれば
1
0+1=1
1+1=2
1+2=3
2+3=5
3+5=8
...
と計算して作ることができます.
最近(といっても1年半ほど前),旭川駅前に新しいホテルが建てられました.その外観は一定の高さごとに縦長の長方形資材をあてはめ,縦に白と黒の麒麟のような縞模様です.しかし,さらに見ると縞模様が不均一な幅になっています.その縦の幅は一番小さなものを1(窓の横幅)とするとその次が2,そして一番大きい幅が3となっているのが分かります.要するに幅1と2と3の組み合わせで外観を作っているようなのです.そこで思い出したのが新橋駅前のニュー新橋ビル*の外観がフィボナッチ数列でデザインされていることでした.アート的には私には門外漢ですが,フィボナッチの1,2,3の幅の組み合わせを少し考えてみました.
例えばこの幅の組み合わせで10を作るとします.
1+1+2+2+3+1=10
1+2+3+1+2+3=10
2+3+2+3=10
1+3+1+2+1+2=10
3+1+2+1+3=10
...
などのようにいくらでも作ることができます.これを左から順番に白・黒と縞にしていくと多彩な縞模様ができます.しかも整数の組み合わせとしてはほぼどんな数も作っていくことができます.これは建築をする上でも幅1,2,3の材料を用意するだけでどんな幅の建築物でも色々な縞模様でデザインをできることになります.また.あるテレビに見た記憶なのですが横長の木調の板をはめ込んだ模様の背景板があったのですが,漫然とこの板の幅の比が1:2:3の組み合わせであると感じたことを思い出しました.また,この組み合わせを作っていくと横幅はフィボナッチ数列の値の幅を容易に作り出していくことができます.1と2と3の組み合わせは整数的にはどんな数も作り出せますが,同時にフィボナッチの組み合わせとしてある部分を切り出すと,フィボナッチ級数の連続する数の最終的な比は黄金分割比になりますから,アート的にも建築の材料的にも適しているのだと今は推測しています.
*ニュー新橋ビル
https://xtrend.nikkei.com/atcl/trn/column/16/112100088/112400005/?SS=imgview&FD=-1699831070(2023年8月9日)