「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という諺があります。
煩悶するほどの苦痛、苦労、激痛も、それが過ぎてしまえばその痛みや苦しみをすっかり忘れてしまう。とか、 苦境の時に恩を受けた恩人のことを、苦境が過ぎると忘れてしまう。という意味です。
かつて、私も技術者だった頃にいわゆる炎上プロジェクトの経験は何度もあります。
今では考えられませんが、3日間徹夜したとか、月の残業が200時間を超えたとか、マシン室の床に段ボールを敷いて仮眠したとか、そんな話がごろごろ転がっていました。
そして、そんなプロジェクトで過酷な日々を過ごして青息吐息で何とかシステムをリリースしたものの、更に本番稼働でも障害続き、ようやく落ち着いたと思ったらプロジェクトを振り返る間もなく次のプロジェクトという具合に自転車操業的に働いていたと思います。
まさに「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のサイクルを長年繰り返していました。
100歩譲って、プログラマーではそれも許容されるかもしれません、しかしSEやプロジェクトマネージャーではそうはいきません。
概ね技術者は事前の計画は綿密に立てるけれども、ことプロジェクトの振り返りなど事後のことに関しては積極的ではないように思います。
もちろん、事前の計画は綿密であるに越したことはありませんが、成功しても失敗してもプロジェクトを振り返ることも同じように重要です。
つまり、プロジェクトも中長期的にPDCAサイクルを回すことで正しい経験値が蓄積されてマネジメント能力が向上していきます。
喉元過ぎた熱さ(プロジェクトの辛く苦しい嫌な記憶)はきれいさっぱり忘れてしまいたい気持ちは良~くわかります。
でも、完全に忘れてしまう前に是非振り返りをして次のプロジェクトに活かしていきましょう。