先日、NHKの番組にシニア世代の起業というテーマが取り上げられていました。私も55歳で起業しましたので何となく親近感をもって番組を拝見しました。
1、現役時代の人脈を生かして起業したものの、その効力には自ずと期限があり、次第に営業力が消滅していく現実、
2、ちょっと老後の生活活性化のために起業したけど、思った以上に心身両面への負担が重く、早々に店じまいしていく現実、
3、起業してから数年後には、承継問題の議論がやってくる現実、
などなどいろんな現実に直面しながらも、健康寿命が延びていく現代社会においては、もっと増えていくシニア起業、という内容でした。
この番組を観て私は次のように感じました。
1、シニアになったら、まだ現役選手としてやりたいか、それとも気楽な解説者や観客の立場でいたいか、と質問されたとしましょう。そうするとちょっと違う答えが返ってくるはずです。いやシニアである私の気持ちは、監督やコーチになって若い人の役に立ちたい、ということなんです。社会貢献したいんです、と。ところが現実はその監督やコーチは、誰かの雇われではなく、自分で経営し、選手の生活費まで をも稼がなければならない立場になっているわけでして、これがシニア起業の本質だといえるのではないかと思います。
2、大体のサラリーマンは、定年近くなると部下からも大事にされ、社会的にも比較的尊敬され、まあまあ幸せな立場で終わるわけですから、定年後はあまり個人の尊厳を傷つけるような立場で仕事したくないのが当然、責任は軽く、尊敬は深く・・・と考えているわけです。従ってもともとシニア起業はスタートからある種の危うさを含んでいるといっても過言ではないのでしょう。
3、私はこの辺の勘所をよく理解しないまま起業しましたので、かなり幼稚で他人には笑われるような苦労も正直しました。仕事である失敗をしたときに弁護士さんに言われました。「社長、この世は狐と狸の化かしあい、負けたほうが悪い」、心に滲みました。その時に自分に言い聞かせました。監督として強いチームにするために、徹底して経営をやり遂げよう、何敗しても勝つまでは・・・ちょうど今の日ハムの監督と思いはいっしょかも知れません。あ、でも梨田監督は来年交代するそうですので、そこはちょっと違うかも知れないですね。
どこのゴルフ場でもシニアが一番強いのが現在、従って仕事でもまだシニアががんばって当然だと思うのですが皆さんいかがなもんでしょう?